不思議な文章を書く人だ。
フランス滞在中にユダヤ人の旧友を訪ねた数日間を
随筆的に記しただけの文章なのに、
どうにも気になる作品になっている。
長く続く文章はあまりぼくの好みではないのだが、
本書の文体のするすると伸びていく感覚は、決していやなものではない。
「フランス的」とでもいおうか、
読んでいるうちに知らず知らずの内に
作者に上手く丸め込まれてしまっているように感じるのだ。
表題作は芥川賞受賞作。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/02/13
- メディア: 文庫
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