『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』、宮崎駿、rockin’on

装丁がキレイだったのでつられて買ってしまった本。
宮崎駿については、
あらゆる人があらゆるところであらゆることを書いているから、
特にここで書き留めておくこともないのだけど、
メモ書き代わりにいくつか引いておく。

『トトロ』は自分の子供時代に対する一種の手紙なんですよ。
緑を全然綺麗だと思えなかった、
ただ貧乏の象徴にしか思えなかった自分に対する手紙でした。
ナウシカ』と『ラピュタ』と『トトロ』と『カリオストロ』と、
4本作った段階で
「ああ、四角になった。これで当面終わったな」と思いました。

日本は戦後、通俗文化が変化した。
それは、戦争で負けた当事者である大人が
偉そうな顔をして出てきたら許せないから。
このことは少年が主人公の物語が多かったことに現れている。

手塚治虫ヒューマニストでなかったように、
宮崎駿も決して平和主義者ではない。
むしろぼくのイメージでは頭の中が妄想で膨れ上がったラディカリストだ。
で、ストーリーにしろ、アニメーションの動きにしろ、
宮崎駿のアニメで面白いところというのは、
その妄想が爆発する瞬間にあると思うんだけど、どうだろう。

風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡

風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡