アメリカのいろんな雑誌や新聞に発表された文学がらみの記事や、
気に入った作家のエッセイや、あるいは短編小説のうちで
興味深いものを気の向くままにスクラップし、
そのうちに何かのかたちで翻訳発表できたらいいなと
ぼんやり考えているうちに、
それが大きな段ボール箱いっぱいくらいの量になってしまった。
それで雑誌「中央公論」に不定期連載というかたちで、
一年ばかり掲載させてもらった。
(「訳者あとがき」より)
それを一冊の本にまとめたもの。
作家というよりは編集者の仕事だが、
選ばれた素材は確かに作家の視点によるものだ。
他にあまり見ない内容の本だが、こういう試みはもっとあってもいいと思う。
著作権など、クリアする問題は多いかもしれないが、
優れた編集者は優れた作家と同じくらい貴重な存在なのだ。
ちょうどDJがあらゆる音源を漁って
音楽シーンに新しい視点を提供するように、面白い本を作って欲しいものだ。
しかし、この本はなんとブックオフで100円で購入。
…うーん、やっぱり選択がちょっと偏ってるからなのかな。
内容としては、トム・ジョーンズの「私は…天才だぜ!」が
なんといっても面白かった。
なにしろ、人生がそのまま物語なのだ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2000/05
- メディア: 単行本
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