『Franz Ferdinand』『You Could Have It So Much Better』、 Franz Ferdinand

忙しい日が続く。
ここ数日よく聴いてるのはFranz Ferdinand
イライラしているときや漠とした不満*1を抱いているときは
暴力的な音楽が聴きたくなる。


Franz Ferdinandは今の気分にピッタリだ。
彼らの音楽は、一言で述べるならば「生意気な音楽」。
全盛期のR&Rがもっていた勢いがある。


音楽としては、8ビートを基調にしながら、
ハウス的なクラブミュージックの影響を受けたリズムに、
4人編成のR&Rが乗っかっている感じか。
R&Rはギター・リフがカッコよければそれでいい、という考えがあり、
ぼくもそれに賛同するのだけれど、
このバンドはこの条件を完全に満たしている。
実は、音楽的に取り立てて感心するところはなかった。
和音も簡単だし、リズムはたまによれるところもあるし、
ギターに至ってはよくあるトテトテ弾きが気になる。


しかし、矛盾するようだが、そこがこのバンドの魅力でもある。
特に1stは恐らく一発録りで録音もチャンネルをたくさん使わず、
ほとんどミキシングでいじってないはず。
こうした録音の方法・パッケージの仕方がプラスに作用し、
バンドの勢いを上手く伝えている。
――簡単なことしかしてないし、別に演奏だって上手くないけど、
やり方次第ではこんなにクールな音楽がつくれるんだぜ――
そう言ってるように聴こえてくる。生意気だ。


ジャケットもカッコいい。
黒のバックにオフホワイトのバンド名とオレンジのラインだけ。
セカンドは矢沢栄吉のパクリだ。*2
このカラーはFranz Ferdinandカラーとして、
ステージ衣装もこれでファンも真似したりするらしい。
またこれがなかなかキマッてて、
雑誌ではよく「スタイリッシュ」なんて形容されたりもする。
音楽はどちらかというと泥臭いと思うけど。生意気だ。


歌詞もすごい。
CMにも使われた「do you want to」。

今夜目覚めたとき、誰かにぼくを愛させてやろう、と思った。
で、いまんとこ、それは君かな。
君はすごく、すごーくしあわせなんだよ、わかってる?

……生意気だ。


ちなみに、バンド名の由来は、
もちろんサラエボ事件オーストリア皇太子の名前から。
この名前にした理由は、
「発語の響きが気に入ったこと」と、
彼の暗殺により第一次世界大戦が勃発し、
「世界を変えてしまった」という史実が気に入ったから、らしい。
生意気……というよりも怖いもの知らずだ。暗殺されんなよ。


生意気だけど、気に入ってる。
この勢いが2ndでも失われていないのは素晴らしい。
ずっと悪ガキのままでいてほしいバンドだ。


Franz Ferdinand

Franz Ferdinand

You Could Have It So Much Better

You Could Have It So Much Better

*1:「不安」ではない

*2:ホントだったらどうしよう。