『THE かぼちゃワイン』、三浦みつる、双葉文庫名作シリーズ

大女フェチ、というのが存在する。
ぼくの趣味とはちょっと違うが、フェリーニなんかはその代表。
コーエン兄弟もそうかもしれない。
多分、この漫画もヒロインの朝丘夏美が大女だから、
この漫画もその文脈で語られてきたと思うけど、そうじゃない。
この漫画はマザコン漫画だよ。


主人公の青葉春助は、チビで醜男であり、
何かというと「男らしさ」を強調して勝手な行動をする甘えん坊の典型。
エル(朝丘夏美のニックネームね。大女だからこの名前。
しかし、『DEATH NOTE』の後では違和感ある名前だ)の存在は、
「彼女」というより「お母さん」なんだよな。


大女で、巨乳で、包容力があって全てを受け入れてくれる女性、
自分を批判せず全部肯定してくれる女性。
「彼女」を描きながら「母親」との理想的な関係を描いた漫画。
ここには、三浦みつるの欲望が注ぎ込まれている。


ちなみに、「母親」との日常を描きながら、
理想的な「彼女」との関係を描いた漫画が『ツレちゃんのゆううつ』。
ぼくはこっちの方が断然好きだな。


それにしても、懐かしいなあ、この漫画。
多分ぼくが小学生の頃にリアルタイムで読んだんだと思う。
最後まで読まず、途中で読むのをやめちゃったので、
最近になって、この漫画のラストを知りたくなり、
漫画文庫を買ってきたのです。
久しぶりに読んだ感想は………う〜ん、80年代……。


ちなみに、タイトルは、
「かぼちゃは体にいい」→「かぼちゃはいい」→「かぼちゃワイン
からきてるらしい。
うーん……