『8mile』、監督カーティス・ハンソン

思ってたよりも悪くなかった。
いや、実のところ結構楽しめたんだな、自分でも意外なことに。
もっとも、これはあまり期待していなかったせいかもしれない。
批判しようと思って観たからね、この映画。
どうせエミネムをカッコよく撮ってるだけの映画なんだろ、
よくあるサクセスものなんじゃないの、と観始めたら、
これがちゃんと映画になってる。
この映画、文法的な意味で構造がしっかりとしてて、
それで安心して観れた。
全体的に暗い色感や、ひたすら手持ちで安定せずに映すカメラが
不安感や焦燥感をよく表してる。
プロットはやっぱりある程度は予想できちゃうんだけど、
終わり方がいい。
大勝利でなく、自分自身の誇りを取り戻した、というところで、
デトロイトでさくっと終わる。
うーん、いい演出だ……と思ったら、監督はカーティス・ハンソン
L.A.コンフィデンシャル』の監督だ。
そりゃ上手いはずだよ。
キム・ベイシンガーが出演してるのは、そのつながりもあったのかな。


フリー・スタイルのラップ・バトルもいい。
でも、ラップをそのまま聞いてすぐに面白さがわかるほど
英語はわからないから、
ぼくは純粋に音として聴いて、いいと思ってるだけだけどさ。
ヒロインのブリタニー・マーフィもいい。
ファイト・クラブ』のヘレナ・ボナム・カーターみたいな、
ああいう危なっかしい美人に弱いんだよな、ぼくは。


しかし、特典で入ってるエミネムの純粋なPVは最悪。
全く品の感じられないものでした。


8Mile [DVD]

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