ジブリが日本の宣伝に大々的に関わったフランスのアニメ。
宣伝文句に使われている大友克洋の言葉は、
「極めてフランスらしいアニメ」。
ぼくもキャラクターの造形なんかそう思った。
で、異文化体験という意味では確かに面白かったが、
大絶賛するほどの映画とは思わなかった。
色々と細部を分析すれば、
アニメの技法として新しいものがあるのかもしれないが、
あまり分析的に観る気にもなれなかった。
「全編ほとんど台詞がない!」というのも、「それで?」という印象。
ひとつ興味深かったのは、キャラクターの指が4本で描かれていた点だ。
これは、キャラクターが手を動かすことによって、
4本しか指が描かれていなくても、
残像で指はちゃんと5本にみえる、というディズニーが発明した手法である。
日本でも一時期使われていたが、
「諸事情」により使われなくなった手法でもある。
「諸事情」とは何か。
日本では、指4本のサインが被差別部落者を意味していたからである。
この技法が2004年に当然のように使われているのをみて、
ぼくは違和感を感じたのだが、
これはおそらく日本人のみが感じる違和感なのだろう。
*1
また、DVDの映像特典に収録されている、
高畑勲とこのアニメの監督のシルヴァン・ショメとの対談が面白かった。
話、あんまり噛み合ってない。
高畑はもう少し質問を整理すべきだよ。
通訳もあれではどう通訳していいか困ったはず。
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