『STEEL BALL RUN』（５）、荒木飛呂彦、集英社

待ちに待った「ジョジョ」の最新刊。
最近は「週刊ジャンプ」でも見なくなっていたので、
うやむやのまま終わってしまったのかと心配していたが、
月刊誌「ウルトラジャンプ」に場所を移して連載していたみたい。
まずはひと安心。

で、内容だけど、いつもながらのジョジョテイストでこれにも満足。
新しいスタンド能力が発現したときはどうなってるのか全くわからなかったり、
「爪が回転する」や「鳥の羽から鉤針が攻撃してくる」など、
小学生の妄想のような奇抜な想像力は健在だ。

いいね！

「ストーンオーシャン」は、
「ジョースター家 VS. DIO」や「新しいスタンド能力」という
荒木自身が作り出したルールに縛られてとても窮屈な印象を受けた
（そしてそのまま終わってしまった）けど、このＳＢＲはのびのびしてる。
時間をかけ、精密な絵で自分の妄想を描き続ける姿勢は
梅図かずおと似ているともいえるだろう。
シュトロハイムやアブドゥルなどを惜しげもなく使い捨てるところもいい。
これからの話の展開も本当に楽しみだ。　　　　　　　　

今号の「サイゾー」で、迷走漫画家第一位をもらった荒木だが、
ＳＢＲになってから随分よくなったと思うの。
そりゃ確かに「ビーティ」や「バオー」の頃のドキドキ感は薄れたけど、
読者がポカーンとしてしまうアイデアはまだまだいける。
これでジョジョワールドからも抜け出れば
荒木飛呂彦にも新しい世界がひらけるかもしれない……が、
ファンとしてはむしろこれから荒木が描く漫画は
すべてジョジョワールドに統一して欲しい、などとも思うのである。

STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 5 (ジャンプコミックス)