『キウィおこぼれ留学記』、小林聡美、幻冬舎、二〇〇二年

部屋の整理もなんとかめどがつき、日常生活も一段楽したので、
今の内に人から借りている本や、早く読んでしまおうと思っている本を
読んでしまうことにする。


で、この本。「マダム小林」のいつもながらのエッセイである。
小林聡美は女優としては好きなので、一通り彼女のエッセイは全て読んでいた。


が、手元には一冊もない。


というのも、読んでいるときは面白いのだが、
読み終わってみると僕の中にあまり残るものがないので、
読み終わったら即座に売ってしまっていたからだ
(売る先はもちろんブック・オフ)。


この本はマダムのニュージーランド「10日間」留学記。
ホームステイしたり、観光したりの生活が面白おかしく綴られるのだが……
残念ながら、やはり残るものはあまりなかった。
題名の「キウィ」とはニュージーランド人のこと。


気になったことは、マダムが留学先の語学学校で受けた歓迎会のこと。
そこでは、音楽が流れ、皆で先住民のマオリ族の歌を合唱したという。
これは、恐らくわざわざニュージーランドまで留学しにきた人への
サービスなのかもしれないし、
または先住民への配慮によるものなのかもしれないが、少々複雑な思いを抱いた。
マオリ族がよく思っていないならばもちろん問題だが、
しかし、マオリ族も外貨獲得のために喜んでこのセレモニーを
受け入れているとするならば、
それはそれでグローバリゼーションを自ら促進することになっているのであり、
更に根の深い問題になるのではないだろうか。
以上は単なる僕の妄想だが。

マダムには、「マシュー‘s BEST HIT TV」に出演してほしい。
その暁には、是非、マシューとモノマネ対決などをしてほしいものだ。

キウィおこぼれ留学記 (幻冬舎文庫)

キウィおこぼれ留学記 (幻冬舎文庫)