オーギー(以下A):やあやあ、元気してる?
早速だけど聴いてみてくれたかな、
僕が渡したカーティスのアルバム?
Takao(以下T):論文の締め切りで忙しかったんだけど、聴きましたよ。
えーと……カーティス・メイフィールドさん。
「メイフィールド」ってすごい名前だね。
だって、「五月の野原」だよ!
一生犯罪とは縁がなさそうだ。
好きな娘とかに「〇〇君ってすごくいい人だと思うけど
……ゴメン、友達でいましょ」とか言われちゃうタイプかな。
A:……名前だけでよくそこまで妄想できるね。
まぁ、実は聴いてくれたんなら分かると思うけど、
その印象はまるっきり見当はずれって訳でもないんだけどね。
カーティスの他のアルバム聴いたことある?
T:名前は耳にしたことあるよ。
この人、何か映画のサントラやってなかったっけ?
A:おっ、よく知ってるじゃない。
『スーパーフライ』、71年のブラック・ムービーだよ。
T:ああ、それそれ。
映画はひどかったけど、音楽がよかったのは覚えてる。
で、その音楽がこのカーティス・メイフィールドさんだっていうの
を聞いだけど……それ教えてくれたのお前じゃなかった?
A:そうかも。でも映画はひどいよね。
T:あのB級っぽさが逆の意味で面白かったけどね。
A:実はこの『スーパーフライ』って映画、
大阪で有名なインディーズバンドの「オーサカ=モノレール
が中心となって2001年に輸入してリバイバルさせたって
経緯があるんだけど……それはまた今度にしよう。
で、聴いてみてどうだった? このアルバム?
T:うん、よかったよ。
あんまり俺の好きな激しいのは入ってなかったから、
熱中するってことはなかったけど。
BGMでずっとながしておきたいって感じかな。
なんかリズムが単調だよね?
これって打ち込み?
A:そう、ほとんど打ち込みだろうね。
そこがこのアルバムの面白いところでさ、
カーティスは全盛期にはもちろん生バンドだったんだけど、
それは、グルーヴィなベースとドラムに
カッティングしまくるギター、そして繊細なハーモニーに
カーティスの美しいファルセット……っていう、
ちょっと奇跡的なアルバムを連発したんだよね。
内容も人権問題とか、平和を訴えてたし。
今でも、フリー・ソウルのDJなんかは皆好きだと思うよ。
確か、フリー・ソウルのコンピでも、
「groovy」と「mellow」の2枚に分かれてたはずだし。
T:それがなんで打ち込みなんだろ。
A:これ、96年のアルバムだから、時代の流れにのったってことなのかな。
ラップも入ってるし。
うん? アレサも参加してるよ! 一曲だけだけど。
で、打ち込み多用してるけど、全然気にならないね。
リズムトラックに乗ってる上物がいいからだと思う。
ワウ・ギターなんて最高じゃない!
……でも、さっきの君のBGMに最適ってのはちょっとショックだな。
僕はかけたら、そっちに耳がいって仕事にならないよ。
T:いや、さっきからお前の解説を聞いてたら、
なんかどんどんいいCDに思えてきたよ……。
A:じゃ、さらにもうひとつ。
実は、「生きたソウルの伝説」として崇められてるカーティスだけど、
この数年前に事故にあって、歌手としての復活は無理だ、なんていわれちゃってたんだよ。
で、彼のことを心配した人々のチャリティアルバムも出ちゃってさ、
それもまたすごいメンバーなんだよなぁ。
レニクラにクラプトン、B.B.キングにエルトン・ジョン。
スティーヴィー・ワンダーも参加してるし、
これのロッド・スチュアートの「People Get Ready」がサイコーなんだよ!
ストリングスとか使っててさ。
そうそう、ブランフォードもインプレッションズと演ってるんだ。
T:ブランフォードさんってのは知らないけど、
他のメンツは確かにすごい。レニクラのを聴いてみたいな。
A:まぁ、それくらい色々な人から尊敬されてる人ってことかな。
今風にいえば「リスペクト」。
だから、事故からもカムバックして、
しかも音楽的にもまだまだ健在なところを示したところが
ファンとしてはかなり嬉しかったんだよね。
もちろん、そういうひいき目でみなくても充分クォリティ高いアルバムだし。
T:なるほどね。いや、色々勉強になりました!
じゃ、いつも通りこれCD-Rで焼いといてね。
A:はいはい。喜んで。
- アーティスト: Curtis Mayfield
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 1996/09/26
- メディア: CD
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (10件) を見る