(24/100) 『資本論入門』、向坂逸郎、岩波新書、一九六七

資本論入門 (岩波新書)

資本論入門 (岩波新書)

以前読んだときには、やや政治的な『資本論』の啓蒙書、程度にしか思わなかったが、
「あとがき」に「三池労組」についての軽い言及を読み、
非常に政治的な本であることに気づいた。

三井三池炭鉱は、福岡県大牟田市から熊本県荒尾市にかけて広がっていた三井鉱山系の炭鉱で、太平洋戦争敗戦によるGHQ SCAPの民主化政策により、1946年(昭和21年)に労働組合が結成された。もともと三池炭鉱労組は労使協調派の力が強く、労働争議などには消極的な組合であった。
しかし、1947年(昭和22年)頃から、大牟田市出身で三池炭鉱ともゆかりの深い九州大学教授の向坂逸郎が頻繁にこの地を訪れるようになり、向坂教室と呼ばれる労働者向けの学校を開いて『資本論』などを講義するようになってから、労組の性格は一変する。向坂は三池炭鉱を来るべき社会主義革命の拠点と考えており、『資本論』の教育を通じて戦闘的な活動家の育成を図っていたからである。

以上、Wikipedia 「三井三池争議」より。


そうか、そういう経緯があったのか…。