『ニューアカデミズム その虚像と実像』、新日本出版社編集部、一九八五

浅田彰中沢新一などの「ニューアカデミズム」批判の論文集。
いや、「批判」というよりも「攻撃」の本と言ったほうがいいかもしれない。


わたしはそれなりにニューアカデミズムの意義を認める立場なので、
その批判を建設的に受け止めようと思って読んでみた。
が、各論文が基盤とするのは「極左」のマルクス主義
要はニューアカデミズムの論者たちが「マルクス主義の限界」を論じていることに
腹を立てて編まれた本だね、これは。
その構造がわかってからはほとんど読む気がしなくなった。
ニューアカデミズムが左翼にラブコールを送ったら、
この論者たちは手のひらを返したようにプラスの評価をするんじゃないかな。

しかし面白いな、当時は栗本慎一郎中村雄二郎山口昌男はおなじ括りにいれられていたのか。
確かに言われてみると納得です。