『フロイト その思想と生涯』、R.ベイカー訳宮城音弥、講談社現代新書、一九七五

フロイト―その思想と生涯 (講談社現代新書 383)

フロイト―その思想と生涯 (講談社現代新書 383)

サブタイトルどおり、フロイトの人生を辿りながら、その思想を解説した本。
翻訳を新書で出すという試みはもっと積極的にやってほしいな〜。


最近全然読んでなかったフロイトの復習のような感じでさらっと読めた。
これ、もう新書では出てないのかな?
だとしたら残念。
新版にしてちょっとだけ訳を見直せば、十分フロイトの入門書としてまだまだ有効だと思うけど。


面白かったところいくつか。

1920年代に、ハンス・ザックスやオットー・ランク、
アーネスト・ジョーンズ、マリー・ボナパルトルー・サロメに、
ジュピターの頭が刻まれていた指輪を贈った。
以後、贈られた人々はお互いに連絡しあって、
フロイトの考えに忠実な弟子として、精神分析界を指導してゆくことになった。

マリー・ボナパルトは、自分のチャウチャウ犬の子をフロイトに贈った。
この犬は2匹の犬を産み、この2匹はフロイトの大事な家族となった。
患者を分析したり、診察しているときには、スリッパの上にのって靴の匂いをかいだりしていた。
精神分析犬だよ」と彼はいい、その先祖の名誉のために、この子犬をルムおよびチャウと呼んだ。

両方とも、それだけでそれぞれ1本小説が書けそうなエピソード。