『不在の騎士』、イタロ・カルヴィーノ(訳米川良夫)、河出文庫、1959(一九八九)



不在の騎士 (河出文庫)

不在の騎士 (河出文庫)

有名なカルヴィーノの3部作のひとつ。
解説から引いておく。

『一九六〇年ノート』
この《序文=ノート》の末尾で、カルヴィーノは結論風に、この三部作全体を人間の《存在》の仕方の歴史的進化を示す《系統樹》として意味づけようとしている。すなわち、三つの作品をその執筆・発表順にではなく、それぞれの作品の背景をなす《時代》順に並べ替えることによって、まず本書『不在の騎士』(中世が背景)において、盲目的な《不在》の状態のなかで《存在》することを目指す原初的な人間、ついで『まっぷたつの子爵』(17世紀末)では社会によって引き裂かれている状態から《完全性》を回復しようとする人間、そして最後に、『木のぼり男爵』(18世紀−啓蒙主義とフランス大革命の時代)で、自由意志による選択を貫き通す(木にのぼったまま、ついに地上に降りることなく生涯を全うする)ことによって真に人間的な《完全に》到達しようとする人間――つまり「自由へと至る三段階」――が描かれている、とカルヴィーノは説明する。

肝心の内容はよくおぼえてない。
まあ…必要があれば、また読む機会もあるでしょう。

不在の騎士 (河出文庫)

不在の騎士 (河出文庫)