『ジャズメンとの約束』、中山康樹、河出書房新社、2002年

中山康樹には2つの顔がある。
一つは『マイルスを聴け!』のような饒舌なエンターテイナー、
もう一つは、『超ブルーノート入門』のような、
述べたいことを言葉少なくクールにきめるハードボイルド・ナカヤマ。
後者の姿勢は、マイルスがトランペットを使って表現したことを、
言葉を使ってやろうとしているといえるだろう。
さて、この『ジャズメンとの約束』は、
饒舌のエンターテイナーとしてでなく、
マイルスのスタイルで通した著作。


ただ、ウィットまたはエスプリを効かせようとした意図はわかるが、
まだ芸がこなれていないなあ。
これは、どうしても2冊の『超ブルーノート入門』と比べてしまうため。
まあ、『超ブルーノート入門』の2冊は
特別カッコいいから仕方ないんだけどね。


それにしても、スウィング・ジャーナルの編集長ともなると、
取材も実に豪華で、その内容をとにかく羨ましく思った。
もちろん、それに見合った苦労もたくさんあるのだろうけど。

ジャズメンとの約束

ジャズメンとの約束