中山康樹には2つの顔がある。
一つは『マイルスを聴け!』のような饒舌なエンターテイナー、
もう一つは、『超ブルーノート入門』のような、
述べたいことを言葉少なくクールにきめるハードボイルド・ナカヤマ。
後者の姿勢は、マイルスがトランペットを使って表現したことを、
言葉を使ってやろうとしているといえるだろう。
さて、この『ジャズメンとの約束』は、
饒舌のエンターテイナーとしてでなく、
マイルスのスタイルで通した著作。
ただ、ウィットまたはエスプリを効かせようとした意図はわかるが、
まだ芸がこなれていないなあ。
これは、どうしても2冊の『超ブルーノート入門』と比べてしまうため。
まあ、『超ブルーノート入門』の2冊は
特別カッコいいから仕方ないんだけどね。
それにしても、スウィング・ジャーナルの編集長ともなると、
取材も実に豪華で、その内容をとにかく羨ましく思った。
もちろん、それに見合った苦労もたくさんあるのだろうけど。
- 作者: 中山康樹
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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