『ゴールドベルク変奏曲(バッハ)』、グレン・グールド

のだめカンタービレ』の影響でクラシックを聴く。
前から家にあった、グールドのゴールドベルク変奏曲だ。
クラシックに浅い私でも、
この演奏には55年の若い頃のものと26年後の81年の2つがあること、
そしてこの演奏で鮮烈なデビューを飾ったグールドが
晩年にもう一度録音し、それぞれ違った味わいがある、
ということは知っていた。


この2枚は、まだ音楽を知らず、とにかく色々なものを聴いて
勉強しようと思っていた頃に買ったものである
(音楽がよくわからないのは今でも変わらないが)。
もちろん悪い印象は受けなかったものの、
それほど感心せずに放置していたように思う。


だが、今回聴きなおしてみたところ、81年の演奏には強く感銘を受けた。
限りなく理知的な演奏。
右手が旋律を奏でながらも、それを統制しようとする左手の強い意志。
確かな演奏力に裏付けられてのその表現に感心してしまった。


そして、これに比べればいささか情に流される感のある55年の演奏。
これが高い評価を受けている55年録音なのか――と思って
解説やデータを見てみると……なんと54年と書いてある。
この演奏は、55年の一年前に個人的に録音されたものらしい。
アホなことに、どうやら私は55年の録音と間違って、
そのようなマニアックなアルバムを買ってしまったのだ。
道理でいまひとつ入り込めなかったはずだ。
自分の演奏を客観的に見れていない演奏である。


他に、グールドの『モーツァルトピアノソナタ、11,9, 2, 8他』を聴く。
こんな淡々としたモーツァルトは初めて聴いた…
…といっても、そんなにモーツァルトを聴いているわけではないのだが。

それにしても、こんなだるい「トルコ行進曲」はアリなのだろうか?

Bach Variations

Bach Variations

バッハ:ゴールドベルク変奏曲

バッハ:ゴールドベルク変奏曲