(37/100) 『となりのクレーマー』、関根眞一、中公新書ラクレ、二〇〇七

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)



仕事上、客との付き合い方で悩んでた時期があり、
そのときに藁にもすがる思いで買って読んだ本。
書いてあることは正論ばかりで、素直に同意できたので、
読み終わって少し気分がよくなった。


しかし、今から考えてみると、
この本を読んで「クレーマー」について考えたことには別の効用があった。
それは、日本が「クレーマー大国」であることに気づいたことである。
これは恐ろしく、そして悲しいことだ。
というのも、わたしが思うに、
クレーマーになるのはプライベートな生活が満たされていない人だからだ(わたしが応対した「クレーマー」的な客の観察から。そしてわたし自身も「クレーマー」的な日々があった)。
駅やデパート、飲食店などの人が多い場所ではギスギスした雰囲気が充満し、
時間帯によっては「一触即発」という言葉がぴったりなときもある。
やはり、みんな余裕が無いんだろうな、というのが自戒の念を込めて思うことである。
その意味で、真に必要なのは、
「クレーマーの対処の仕方」ではなく、
「自分がクレーマーにならないための方法」である、とも思うのである。