ボイコット(boycott)

ボイコット

ボイコットは「集団」でする排斥運動だから、主語は複数の人々でなければならない。これはどの国語辞典にも「団結して」とか「共同して」、「集団的に」と定義されている通りである。

彼女がリクエストし直したのは、古い民謡なのだ。国立歌劇場が前衛的な試みをしても、この国の人たちは、パリジャンとは違ってボイコットするに違いない。

(『世界名作の旅』工藤宜)

 

 ところが、次の例に出会った。

学校の授業をボイコットしながら地球温暖化対策を訴えてきたスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん (16) が28日、ヨットによる大西洋横断を終え、米ニューヨークに到着した。

 

(ニューヨーク共同:京都新聞2019.8.30)

 

これではグレタさんが一人で授業をボイコットしたことになる。

 ネットで「グレタ・トゥンベリ」を検索すると、

トゥンベリさんは1年前に、学校を休んで議会に積極的な気候変動対策を求める抗議活動「学校ストライキ」を始めて一躍有名に。

(sankei.com)

「未来のための金曜日」と題して、金曜日の授業を拒否してストライキを始めた。

(YAHOO! ニュース)  

現在、1年間休学して米国を旅し、気候変動に対する一段と強力な行動を求める運動を続けている。

(ロイター)

 

 調べてみると、問題の「ボイコット」は彼女が唱えた「未来のための金曜日」にストライキを呼び掛けたことを言っているらしい。そうであるなら、

学校の授業をボイコットしながら地球温暖化対策を訴えてきたスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん

は次のように読み取るべきなのだろう。

学校の授業をボイコットしながら地球温暖化対策を皆で考えようと、訴えてきたスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん

このように補えば「ボイコット」の語法に問題はない。

ああそうか、じゃあ、このCDも、単独アーティストでなく、複数アーティストによるものだからこういうタイトルだったのか…って、それは少しうがちすぎでしょうか。 

 

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