「くれる」? 「つかみとる」! 

「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」な季節ですね。

 

くれる

 立ち直る 元気をくれる 目に青葉 (小林美也子 京都新聞

 「くれる」「もらう」は受動的で他力本願的なもの言いです。

「立ち直れ元気を出せよと目に青葉」のほうが稚拙かもしれませんが、目に青葉から立ち直るきっかけをつかもうとする意思があります。自分から手を出して今を乗り越えていこうとする生新さが感じられます。言葉を吟味すると、優しい一言で前向きになった自分を発見できます。

 

冒頭の句は江戸中期の俳人・山口素堂(1642~1716)の作で、春から夏にかけて江戸の人々が最も好んだものが詠まれています。

同じ景色を見ても、受け取り方で印象が変わります。

外の世界を変えることができないなら、自分を変えるしかない。ポジティブに受け取ったほうがトクですよ。

 

元禄名家句集略注 山口素堂篇

元禄名家句集略注 山口素堂篇