何気ない日常の風景が、平和の象徴であったり、現実との正気を保つ手がかりとなったりします。
洗濯物
小津安二郎の映画に、竿に干された、家族の洗濯物がしばしば映し出される。
北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの母親早紀江さんは、まさか拉致と判明する前は「どこかに連れ込まれたのではないかと、新潟の街中を自転車で走り回り、めぐみの洗濯物が干されていないか、よその家まで捜した」。(京都新聞 2012.9.17)
ぼくはよく見かける/洗濯物といっしょに/風にはためいている/おまえの/白いかなしみを
(さよならの城『寺山修司名言集』)
痛々しいなあ。
親として、その気持ち、よくわかります。